ピペド・ピペド二世・・・の取説

ピペドの定義

ピペドとはピペット土方、又はピペット奴隷の略。
以下wikiなどを読んでください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%9A%E3%83%89
http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E3%83%94%E3%83%9A%E3%83%89
ピペドとは - はてなキーワード
個人的には多くの場合(卒業研究をする)学部生と大学院生(修士)だけに限定されると思う。
何故かっていうと、学部生と修士は何も知らないまま大学に入って、卒研では自分はピペドであると認識できぬまま(認識してても理系は大学院に行くもんだっていう)流れで大学院に行く人が多く、また研究テーマも自分がしたいこととは異なる可能性が高く、ピペド以外の選択肢を選ぶ自由が少ないから。
修士で就活に失敗してしまった方を除いて、博士課程まで行く人は生物が好きで好きで堪らないか、よっぽど鈍感か、もしくはあと少なくとも3年以上ピペドで生きていく覚悟ができている人。
博士課程まで行く人はアカデミックな道が開かれるかもしれない。
けど、その途中(学部生と修士)は学部生ならまだしも、培養細胞やマウスといった生物たちに大学(院)生活というモラトリアムを蝕まれつつ、就活をしなければならない。
なぜなら生物たちは生きているので、しっかり育てなければ教授からも怒られ、自分の研究も進まないからだ。
あと高校で生物を勉強していたかは関係ない。
高校で物理・化学選択でも、大学の研究室でピペド養成研究室に入ってしまう人もいるし。
ちなみにピペド養成研究室の最強の称号として、ピペド二世・ピペド三世(以下続く)というどこかの国の王様のような名が与えられるという噂も。
以上を踏まえて取説を書くことにする。

ピペドの取説(昔の俺含む)

  • 彼らにだって人格がある。

ピペット奴隷だからといって、全て上からの命令で動いているわけではない。
彼らは自分の研究テーマに関する論文を一応読み、自分なりに新たな実験条件や方法を考えて実験をするときもある。
ただし基本的にピペットは手放せない。
ピペドだからって何も考えずに手だけ動かして学位を取っている楽な学生だと勘違いしないように。
単にピペットと実験キットだけを使っているわけではなく、いろいろ考えて実験しているのだ。

  • 彼らにだって私生活がある。

彼らにも少ないかもしれないが友人がいる。彼女がいる。先輩・後輩がいる。
ただ急にふらっと来て「今からメシ食おうぜ!」と言われても無理な場合がある。
彼らが実験しているときは「○○分待ち」とか「△△分後に●を入れる」といった時間的制約に縛られている場合がある。
一緒にご飯を食べたいときや、どこか行きたいときは前日にメールなどで予定を聞いておこう。

  • 「ピペド」って面と向かって言うのはやめてくれ

ピペドってある程度市民権を得ているというか、文系学部の大学生(特に大学に生物系の学部がある大学)でも知っている場合がある。
でもピペドって語源が土方とか奴隷だから良い言葉ではない。
ピペドという言葉だけを知っている人たちに
「お前ピペドってなにやってるの?」
「ピペド生活大変そうですね。」
とか言われるとお前はどこそこ研の奴隷だ!って言われている感じがして憂鬱になる。

  • 客観的に見てピペドでも、本人はそう思っていない場合もある。この裏命題もあり得る。

これはイジメの問題と同じで、イジメている側がそう思っていなくても、イジメられている側が思ってたらイジメで・・・みたいな感じ。
本人がピペドって思っていなかったら問題ないかもしれないけど、客観的に見てどうであれ本人がピペドだと思っていたらやさしく話を聞いてあげよう。

  • わかってると思うけど「ピペド=コミュニケーション能力が無い」の等式は成り立たない。

よく就活で言われるコミュニケーション能力。
ここでは別に具体的な意味は言わないけど、一番広い意味で捉えてもらえればいいと思う。
ピペドだからって一日中ピペットを持って実験をしているわけではない。
ピペドの所属する研究室にだって、人数に差はあるがコミュニティが存在する。
時間的制約のせいで友人は少なくなるけど、ピペドのコミュニケーション能力は一人ひとり違うし、ピペドになってしまったからってコミュニケーション能力が無くなるわけではない。

  • バイオ系ピペド就活生は労わってあげよう。(特に採用側の方に言いたい)

最初にも言ったが彼らは実験生物や実験動物、あるいは決まった時期に何らかの処理を施さないと実験が一からやり直しになってしまうような繊細な物質たちを扱っている。
しかも一度実験が動き出したら基本的には止まってくれない。
就活だからといって実験をしないと、就活後にまた一から生物たちを育てないといけない。
そのため個人的偏見として、非バイオ系就活生は就活の合間に研究をするのに対し、バイオ系就活生は研究の合間に就活をしている。
特に研究と就活以外に研究室内でのセミナー(論文紹介や研究進捗状態説明)があると、生活が崩壊しそうになる。
就活の場でバイオ系ピペド就活生を見たら、「頑張れ!」と言ってあげよう。
少しは彼らの慰めになるだろう。

ピペドという社会問題をなくすために

僕が一番手っ取り早い解決策だと思うのは、卒業研究(研究室配属)を学部2年の後期、遅くても学部2年の年明けくらいから始めること。
今だと、早いところで学部3年か3年後期から。
遅いところだと学部4年で配属されて、いろいろあって卒業研究は4年の秋からっていう人の話も聞いたことがある。
だから、自分はピペドになってしまうと思っても、就活や他研究室、他大学に逃げれない場合もある。
しかも他研究室や他大学に行ったところで、ピペドであることに変わりはないという時さえある。
他の理系学部は知らないけど、バイオ系(ここも一括りにはできない)はそこまで知識がなくても実験操作だけはできるし、実際に実験しながら覚えていった方が効率がいいと思う。
研究室の負担は大きくなるけど、無駄に基礎実験とかの学部生向け実験授業とかの単位を取らせるより、研究室の人手は増えるし、学生もピペドであると認識した時点で、就活で逃げるという選択肢を選ぶ時間的余裕があるし、メリットの方が大きいと思うんだけどな。

以上。
これ以上ピペド二世、ピペド三世を生むな。